松尾寺(まつおでら)三重塔(大和郡山市山田町松尾山)

  松尾寺は、舎人親王(とねりしんのう)が願主となり、奈良時代中期の養老二年(718年)に永乗上人が開基した

松尾寺三重塔(指定なし、明治21年 1888年再建、本瓦葺、高さ 約15m、一辺 3.37m)


  三層部、中備え中央間のみ間斗束

二層部、中備えは三間とも間斗束

松尾寺は、養老二年(718)舎人親王が日本書紀の無事完成と親王(当時、42歳の厄年)の厄除けの願いをかけて建立された

塔は、擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは中央間蟇股、脇間間斗束


表情が面白い鬼瓦

初層、三手先組物(四隅)と軒(二軒繁垂木)

塔は当初、承和五年(838)に建てられたが鎌倉時代に焼失した。江戸時代に入り後水尾天皇により再興され、明治21年(1888)に建て直された

塔の内部は、四天柱があり須弥壇を設け如意輪観音を安置する


初層の風鐸

初層、中備え中央間の江戸風蟇股

松尾寺は、室町時代以降は、修験道「当山派」(醍醐三宝院を本山とする真言宗系の修験道)の拠点として栄えた

松尾寺本堂(重要文化財、南北朝時代 建武四年・延元二年 1337年再建)

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三層部の風鐸

各層、四隅は三手先組物で中間は二手先組物(写真右側)

松尾寺は厄除け観音を本尊とする日本最古の厄除け霊場

*JR大和小泉駅 下車、奈良交通バスにて松尾寺口下車 徒歩約30分。境内は参詣の方で賑わっていた。徒歩で毎日参られる方がかなりいらっしゃるようだ。寺も、修行のため、徒歩での参詣をすすめている。

(平成18年12月16日撮影)