室生寺(むろうじ)五重塔(宇陀市室生区室生78)

  女人高野で知られる、真言宗室生寺派の大本山。日本有数の宗教美術の宝庫

室生寺(むろうじ)五重塔(国宝、平安時代初期、桧皮葺、高さ 16.18m)

室生寺五重塔は平安時代初期に建てられ平成12年(2000年)に修復された


高欄は五層部にのみ横連子がはいる

二層部から四層部まで造りは同じ(写真は二層部)

室生寺は室生竜穴神に奉仕するため宝亀・延暦年間(770〜806)に興福寺の別院として賢憬(けんけい)により創立され、弟子の修円(しゅうえん)により堂塔が整えられた

 塔は、基壇の上に建ち、初層は縁を設けず中央間板唐戸、脇間白壁、中備えはなく、柱は円柱


軒の出は大きく、地垂木が円形の二軒繁垂木、組物は三手先

初層、三手先組物。古そうな材木が見られる

相輪(写真:右)は薄い銅板製で、創建当時のものではなく、鎌倉時代頃の材料を用いる

撮影中、偶然にも相輪最上部の宝珠(ほうじゅ)にトンボがとまった


軒は二軒で地垂木は円形で先端に、飛えん垂木は下端に反りをつける

初層の三手先組物

塔の内部は四天柱があり、心柱が通っている。また、床には板が張ってある塔としては最古の例という

鎧    坂

石の階段の両側にはびっしりと石楠花の木が植えられて初夏のシーズンには見事に花を咲かせる

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室生寺表門

*近鉄室生口大野下車、奈良交通バスにて15分 室生寺口下車、徒歩5分

(平成18年9月24日撮影、最上部の写真を除く)