長谷寺(ちょうこくじ)多宝塔(五智堂)(新潟県佐渡市長谷13)
弘法大師の開基とされる真義真言宗の寺院。地形が大和の長谷寺に似ているため順徳上皇により名づけられた
長谷寺多宝塔(県指定文化財、江戸時代 延享二年 1745年、銅板葺、高さ 15m)
上重、十二の擬宝珠付高欄。軒は扇垂木 |
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下重、組物は和様三手先、詰組、軒は二軒繁垂木 |
長谷寺は大同二年(807)に弘法大師により創建されたと寺伝に記されている
塔は高欄のない縁をめぐらし、四方三面とも桟唐戸(十字に金剛杵を配す)、中備えの部分に彫刻が入る
上重、四手先組物、支輪の所に雲型の彫刻が入る |
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下重、中備えの部分に竜の彫刻が入る |
天正十七年(1589)上杉謙信の子、景勝が佐渡攻略の際、家老の直江兼続は長谷寺の再興に尽くし、寺領を兵火の災難から保護した
塔は五智堂とも呼ばれ、堂内には五智仏(弥陀・釈迦・大日・薬師・宝生)が安置されている
上重の竜頭彫刻 |
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下重正面中央間の彫刻(金箔が残る) |
長谷の大地蔵(写真左:高さ 245cm 像高 185cm・半肉彫石仏)一生に一度限り「願かけ」ができるとの伝えがある
昭和53年1月、雑誌「太陽」に平山郁夫の長谷の大地蔵のスケッチが掲載された
この多宝塔は内陣が、円形平面を持つ大塔形式で全国的にも数が少ない形式を持つ
観音堂(大悲殿)(江戸時代 元禄四年 1691年改修)
*佐渡バス南線 畑野十字路下車 徒歩約40分。寺の前に停まるバスもあるが本数が極端に少なく利用は不向き。寺域も広く落ち着いた寺院。見所も多い。
(平成17年9月23日撮影)