大威徳寺(だいいとくじ)多宝塔(岸和田市大沢町1178-1)
紅葉と滝の名所で知られる。中世には四十八坊を数える大寺院であった
大威徳寺多宝塔(重要文化財、室町時代後期 天文二十年 1551年、本瓦葺、高さ 約13m 一辺3.1m)
上重、四手先組物、軒は二軒繁垂木 |
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下重、二手先組物、四隅に室町風木鼻を付ける |
大威徳寺は、修験道の開祖である役小角の創建と伝えられる。空海や恵亮(えりょう)も修行したという
建築年代は、今の相輪の伏鉢に「天文廿年(1551)卯月吉日杉本村大工五郎左衛門」の刻銘がある。また修理に際して
「永正十二(1515)亥乙年」・「大永二年(1522)」の墨書がみつかり、三十年以上ももかかり完成したことがわかっている。
多宝塔は、基壇上に建つ。高欄のない縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備え中央間は蟇股、脇間蓑束
上重、四手先組物 |
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下重、二手先組物。軒は二軒繁垂木 |
牛滝山大威徳寺は、比叡山の大乗坊恵亮が修行中、大威徳明王が滝の中から青い色の牛のような石の上に乗って現れたことから山号の牛滝山が生じたと伝承する
塔の内部は、来迎柱、来迎壁があり仏壇を置く。
多宝塔は、本堂の背面に建っており、非常に珍しい配置となっている
伏鉢には、室町後期の天文二十年(1551)の刻銘がある |
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中備え、着色された蟇股が美しい |
大威徳寺は、修験道の道場としても有名な所。修験道が天台宗三井寺聖護院系の本山派と真言宗醍醐寺三宝院系の当山派に組織される中、当山派の道場になった
ここは紅葉の名所で秋のシーズンには多くの人が訪れる
本堂(左・写真)と牛滝山 大威徳寺の号にちなむ牛の石像
階段より多宝塔と本堂を見下ろす
*南海電鉄 岸和田駅下車、牛滝山行きバスに乗車、終点下車 徒歩5分
(平成18年11月18日撮影、下部3枚は平成15年9月撮影))