藤田美術館(ふじたびじゅつかん)多宝塔(旧 光台院)(大阪市都島区網島町10-32)
紀州高野山の光台院にあった多宝塔を大正五年に移築した。また、令和3年(2021)に大阪市指定文化財に指定
藤田美術館 多宝塔(大阪市指定文化財、江戸時代前期、銅板葺、総高10.2m 一辺2.48m)
上重、四手先組物、軒は扇垂木 |
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下重、組物は出組、軒は扇垂木 |
多宝塔は高野山の光台院にあったものを大正五年(1916)に藤田伝三郎が移築した。移築時に桧皮葺の屋根を銅板葺に変更した
また、多宝塔の建築時期は、光台院の寺誌によると、延宝7年(1679)から元禄4年(1691)の間の創建と記されているという
塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備えは中央間蟇股、脇間蓑束
上重、軒(扇垂木)と組物 |
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下重、中備えの蛙股と蓑束 |
相輪の鎖が切れて九輪に垂れている
藤田美術館は大阪の旧 男爵・藤田伝三郎と長男平太郎、次男徳次郎の三人により収集された東洋古美術を中心としたコレクションを公開する目的で昭和26年に設立された
藤田美術館は国宝9点、重要文化財50点を含む約5000点を収蔵。春・秋の展観を行っている
塔は展観時以外は、見ることが出来ない
下重、四隅の鬼瓦 |
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擬宝珠高欄と縁 |
多宝塔の軒は、上・下重とも扇垂木になっている珍しい形
多宝塔の前、紅葉の下に山鳩がきていた(H18年12月9日 撮影)
藤田美術館の近く、天満橋より大川の桜(平成18年4月9日撮影)
*JR東西線 大阪城北詰駅下車 徒歩約3分。
(平成18年4月9日・平成18年12月9日 撮影)