慈眼院(じげんいん)多宝塔(泉佐野市日根野626)
大阪府下、唯一の国宝塔。寺は、真言宗御室派の寺院
慈眼院(じげんいん) 多宝塔(国宝、鎌倉時代 文永八年 1271年建立、桧皮葺、高さ10.8m)
上重は、円柱、四手先組物 |
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下重は、組物は二手先、軒は二軒繁垂木 |
慈眼院は、白鳳二年(674年)創建で天平年間に覚豪が勅を奉じて造営した
塔は、高欄のない縁をめぐらし、中央間は扉が大きい板唐戸、脇間連子窓、組物は二手先、中備えは中央間のみ蟇股
上重、軒は二軒繁垂木、組物は四手先 |
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下重の二手先組物が美しい |
写真、右は相輪部。細い鎖(宝鎖)が花輪に取り付けられている
弘仁八年(817年)に弘法大師が金堂、多宝塔を建立したと伝える
下重、中備え中央間の蟇股(鎌倉時代建立の時代判定) |
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下重、四隅の風鐸 |
寛文五年(1665年)京都・仁和寺門跡より本坊に慈眼院の院号が与えられた
多宝塔は、明治時代に金堂の脇から現在の位置に移された。その際、高い基壇を築き柱の床下部分を長くした
日本最小規模の多宝塔で、日本三名塔の一つ(他は、石山寺、高野山金剛三昧院)
慈眼院金堂(重要文化財、鎌倉時代、寄棟造、本瓦葺)
* JR阪和線日根野下車、南海バス 犬鳴山行き乗車 東上下車 徒歩 1分。金堂から塔にかけての苔の緑が美しい。いつ行っても、お参りの人はいない。境内が暗いので、カメラを手持ちでシャッターを押すとブレルので注意。細部を写すには三脚がいるが、美しい苔をいためないように場所を選ぶ。
(平成18年11月18日撮影)