太龍寺(たいりゅうじ)多宝塔(徳島県阿南市加茂町龍山2)

  若き弘法大師が修行した四国屈指の名刹。四国八十八ヶ所第二十一番札所

太龍寺多宝塔(国登録有形文化財、江戸時代 文久元年 1861年、銅瓦葺、高さ 約18m、一辺6.38m)


上重、軒は扇垂木、高欄に逆蓮柱を付した禅宗様

下重、出組、軒は二軒繁垂木

弘法大師十九歳(延暦七年 788年)の時、この地で虚空蔵求聞持を修行していると悪竜が現れた。

その時、虚空蔵菩薩の法剣が飛び竜を退治した。のち、この霊地に一堂を設け、舎身山太龍寺とした

塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備えは一面に彫刻を施す


上重、禅宗様高欄を支える平三斗の間には波の彫刻を施す

下重、中備えには、天女の彫刻があった

太龍寺は海抜602mの山頂近くにあり鶴林寺につぐ難所であったが、今はロープウェイで上れる

塔の内部は四天柱があり、五大虚空蔵菩薩を安置する


相輪橖には文化十三年(1816)の銘がみえる

六角経堂(江戸時代 安政三年 1856年)

相輪橖(そうりんとう)(江戸時代 文化十三年 1816年)

相輪橖の建っている場所には興願寺に譲った三重塔が建っていた

太龍寺 より見た鶴林寺三重塔(第二十番札所)

大師堂(明治十一年 1878年再建)

建物の配列が、高野山奥の院と同じ事より”西の高野山”と呼ばれる

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太龍寺本堂(江戸時代 嘉永五年 1852年)

*JR徳島駅より徳島バスにて和食東下車 徒歩10分で太龍寺ロープウェイ入口。ロープウェイで10分。ロープウェイは約20分おきにでている。過去は巡礼泣かせの難所だったという。現在は観光、観光している。