茨城県の塔

小山寺(富谷観音)

 小山寺(おやまじ)(富谷観音)三重塔(茨城県桜川市富谷2190)

  関東地方で数少ない中世の塔が美しい。富谷(とみや)観音で知られる観音霊場

小山寺三重塔(重要文化財、室町時代 寛正6年 1465年、とち葺、高さ 21.4m)


三層部(三手先組物・跳高欄・中備えは撥塚)

二層部(三層部と同じ・二軒繁垂木)

小山寺は天平七年(735年)、聖武天皇の勅願により、行基が創建したと伝えられている

逆蓮弁高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸(正面のみ桟唐戸)、脇間菱格子窓、中備えは中央間のみ蟇股、脇間は間斗束


三層部、三手先組物と二軒繁垂木

初層、三手先組物

相輪は型の通りで、水煙が一部欠けている

相輪の宝珠の刻銘に寛正六年(1464年)、多賀谷朝経が大檀那となり、大工棟梁 宗阿弥家吉 等により造営されたとある

塔の内部は来迎柱、来迎壁をおき須弥壇に釈迦三尊を安置する


初層の室町風蟇股(牡丹彫刻の透かし彫り)

初層、室町風の木鼻

和様を基調とし、禅宗様を交えた三重塔は、関東以北で建てられた最古のもの

三重塔初層、逆蓮弁高欄

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本堂(県文・江戸時代 元禄九年 1696年再建・本尊十一面観音)

(平成17年3月21日撮影)