東京都の塔
椿山荘(ちんざんそう)三重塔(東京都文京区関口2丁目10-8)
明治の元勲山県有朋が邸宅を構え「椿山荘」と命名した。現在は「ホテル椿山荘東京」
椿山荘三重塔(国登録有形文化財、室町時代末期 大正14年移築、銅板瓦葺、高さ 18.5m)
三層部、中備えはなし。三手先組物、二軒繁垂木 |
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二層部、中央間のみ蓑束。他は三層部と同じ |
三重塔は、広島県賀茂郡河内町入野の山上伽藍、竹林寺にあったが大正十四年(1925)藤田平太郎男爵が解体移築した
塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備えは中央間のみ蓑束
初層部、屋根 |
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初層部組物、三手先 |
相輪は型の通り
大正年間に台風に遭い、三層目が壊れたため移築時に復元された
また、平成22年〜23年にかけ制震補強のため、修理が行われた。
初層、緑に囲まれた軒や組物の美しさは格別
初層、塔四隅には風鐸がつく |
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初層、柱には粽が入り台輪・木鼻をつける |
塔は心柱を用いず一層づつ重ねていく構造で、初層内部は四天柱が省略してある
塔は露檀式庭園のシンボルになっており、ホテルからの景色を一段と映えさせている
庭園内にある寿老人の石彫 |
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庭園から見る椿山荘プラザ(左)と椿山荘タワー(右) |
庭園内の十三重石塔(写真:左)は鎌倉時代の様式を示し、織田有楽(織田信長の弟)ゆかりの層塔と伝えられている
*営団地下鉄、江戸川橋下車 徒歩10分。塔は信仰の対象ではなく、格調の高いホテルの庭園を装飾するオブジェになっていた。庭園は無料で公開されているのは好感が持てる。
(平成18年3月21日撮影)