高山寺(こうざんじ)多宝塔(田辺市稲成町392)

  「田辺の弘法さん」の名で親しまれている。聖徳太子の開創、弘法大師の中興といわれる真言宗の寺院

高山寺多宝塔(指定なし、江戸時代後期 文化13年 1816年、本瓦葺、高さ 約15m)


上重、四手先組物、扇垂木

下重、二手先組物、軒は二軒繁垂木

高山寺は、聖徳太子の開創、弘法大師が弘仁七年(816)に田辺を訪れたと言われている

塔は石積基壇上に建ち、組高欄を付した縁をめぐらす。中央間桟唐戸、脇間連子窓、円柱には粽がつく


上重、尾垂木に竜頭が付く

多宝塔、下重正面には「上宮閣」の額を掲げる

相輪(写真:右)は層塔風のもので、上から、火焔がつく宝珠、龍車、水煙、九輪、覆鉢、露盤と続く

下重、道成寺三重塔に見られるような尾垂木の彫刻


下重、四隅の鬼瓦

下重、木鼻には龍の彫刻が施されている

塔の内部は、四天柱があり厨子入りの聖徳太子立像を安置する

高山寺貝塚(国史跡、縄文時代前期)

高山寺の境内一帯に、縄文時代早期の貝塚が見つかっている。特に、ここから出土した底が尖った厚手の楕円文を施した土器は「高山寺式土器」と名付けられている

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高山寺山門(大正11年 1936年建立)

*JR紀伊田辺駅下車、北西へ1Km(徒歩約20分)、弘法大師の信仰が今も生きてる。撮影の間にも多くの年配の参詣者が訪れていた。

(平成18年1月28日撮影)