金蔵寺墓地(こんぞうじぼち)(群馬県渋川市金井1962)
宝篋印塔は関東地方特有の二重形式で、基礎側面に南北朝時代前期 康永二年(1343)の紀年銘がある。
金蔵寺墓地二重宝篋印塔(県指定文化財、南北朝時代前期 康永二年 1343年、安山岩、高さ 155Cm)
二層目軸部、輪郭を巻き胎蔵界四仏の種子を刻む (正面、ア:宝幢如来) | ||
金蔵寺墓地入口の岸家墓域、金柵に囲まれてに立っている | 二層目軸部、輪郭を巻き胎蔵界四仏の種子を刻む (南面、アー:開敷華王) |
二層目 笠
笠の段型は、下二段、上四段、四段目は露盤とする。隅飾は三弧輪郭付で、裾に蕨手をつけ、内部に大小二個の月輪を陽刻する。
二層目軸部、輪郭を巻き胎蔵界四仏の種子を刻む (背面、アン:無量寿) | ||
二層目軸部、輪郭を巻き胎蔵界四仏の種子を刻む (北面、アク:天鼓雷音) | 中之条町 宗本寺塔(二基)と同じ作りで、同一作者かもしれない |
初層 笠
大破し、中央の階段が残り、下に三段の段型を刻出する。もとは、方形の高欄(勾欄)であったと思われる。
段型は、笠下三段として、下の初層軸部を挟み、基礎上三段の段型と対応させている
相輪は、下から伏鉢、請花、九輪で、九輪の七輪目から上を欠失する。伏鉢は複弁様に刻み、相輪も深く刻んでいる |
基礎 正面
基礎上端は三段、側面は二区に分け、内に銘文を刻む
基礎正面の銘文
「右志者、為過住源義季聖霊、乃至法界平等平等也、勧進沙門住円」「佛師藤原光吉、康永二年(1345)癸未、十月仲旬、敬白」
基礎 南面
基礎は、上端三段の上に低い初層軸部を作り出す。正面を除く三面は、側面二区で、内に格狭間をつくる。
金蔵寺 本堂(天台宗)
境内にある県指定天然記念物「しだれ桜」が有名
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*JR吾妻線 渋川駅前から関越交通バス 西群馬病院行きに乗車、「金島ふれあいセンターバス停」下車、北方向へすぐ。または、渋川駅前から関越交通ジャンボタクシー(9人乗り) 神田集会所行きに乗車、「金島農協前バス停」下車、西側すぐ。「金島駅」からだと南東方向へ徒歩 約19分。
(撮影:平成23年10月31日)