天寧寺(てんねいじ)三重塔(広島県尾道市東土堂町17-29)

  もともと五重塔。江戸時代に傷みの激しい四・五層を撤去し三重塔に改築した

天寧寺三重塔(重要文化財、室町時代 嘉慶二年 1388年、本瓦葺、高さ25m)

天寧寺は貞治6年(1367)足利尊氏の遺志によりその子義詮が建立した。普明禅師を開山とした曹洞宗の大寺院であった


初層の鬼瓦

組物は、禅宗様三手先。軒は二軒扇垂木

塔は、ほぼ禅宗様の珍しい建物。初層内部に四天柱と来迎壁をもつ

塔は、室町時代の嘉慶2年(1388)の建立。元禄5年(1692)五重塔の四・五層を撤去して三重塔に改築した


木組と垂木のハーモニー

軒は初層から三層まで、すべて扇垂木

 相輪は形のとおりで美しい

塔は、基壇上に立ち縁はない。中央間桟唐戸、脇間板張り、中備えは蓑束、禅宗様の為長押はなく柱には粽(ちまき)が入る


三手先組物

禅宗様木鼻

 塔は、尾道三古塔の一つに挙げられている

  山陽路・広島県の塔 西国寺三重塔                            日本の塔-目次

塔のすぐ上が千光寺で、目前が尾道水道。階段の多い尾道の町中にある

(平成16年8月13日撮影)