太山寺(たいさんじ)三重塔(神戸市西区伊川谷町前開224)

  太山寺薬師の称で知られる新西国三十三ヶ所の第二十五番札所

太山寺三重塔(県指定文化財、江戸時代 貞享5年 1688年建立、本瓦葺、高さ 20m)


三層部、中備えはない

二層部、鬼瓦

太山寺は藤原鎌足の子、定恵(じょうえ)の開山、霊亀二年(716)鎌足の孫である宇合(うまかい)の建立と伝えられる

塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらせ、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは中央間のみ間斗束


二層部、組物は三手先、軒は二軒繁垂木

初層部、三手先組物と軒(二軒繁垂木)

塔の内部は四天柱、来迎壁があり金剛界大日如来と四天王が祀られている

三重塔の風鐸

元正天皇(715〜723在位)の勅願寺として歴代天皇を初め民衆にいたるまで広く信仰を集めた


二層部、軒を支える邪鬼

初層の邪鬼(顔がエキゾチック)

初層の擬宝珠高欄(写真:左)。四隅の尾垂木上の邪鬼は、初層から上に白、緑、褐色と色が異なる

建武中興(1334)の時は、大塔宮護良親王の命旨を受けた当寺の衆徒の活躍があり、大いに栄えた

太山寺本堂(国宝、鎌倉時代 永仁年間 1293〜1299年再建、入母屋造、銅板葺)

 兵庫県の塔  高源寺三重塔                              日本の塔-目次


太山寺塔頭、安養院(あんにょういん)

仁王門(重文、室町時代中期、入母屋造、本瓦葺)

安養院、桃山時代作庭の庭園は国の名勝に指定されている

*神戸市営地下鉄伊川谷から神姫バスにて太山寺停留所下車。地下鉄学園都市駅より2.1km。地下鉄沿線は開けているが当寺は背景に原生林をもち驚くほど山深い風景に出会える。

(平成17年12月30日撮影)