聞空寺(もんくうじ)宝篋印塔

 聞空寺(もんくうじ)宝篋印塔(滋賀県蒲生郡日野町蔵王460)

   蔵王は山里の村で、中世の頃には修験者の拠点地として多くの修験僧が住んでいた。その中の藤井聞信という僧が一向宗に帰依し、当寺を開基したと伝える。

聞空寺(もんくうじ)宝篋印塔 (南北朝時代後期、花崗岩、高さ 124.5Cm)

塔身、金剛界四仏の種子を直接刻む(正面、アク:不空成就如来)
本堂に向かって左手奥、薬師堂の横に立っている 塔身、金剛界四仏の種子を刻む(東面、ウーン:阿閦如来)

笠の段型は、下二段、上五段、隅飾は二弧輪郭付で内は無地、やや外傾する

塔身、金剛界四仏の種子を刻む(背面、タラーク:宝生如来)
塔身、金剛界四仏の種子を刻む(西面、キリーク:阿弥陀如来) 宝篋印塔は四尺塔として造立され、地上に直接据えられている

基礎 正面

基礎は壇上積式で、上端は二段、側面は正面が格狭間内に大きく宝瓶三茎蓮を刻む。

相輪は、下から伏鉢、請花、九輪、請花、宝珠で、九輪は八輪目を欠失したまま接続される。基礎の近江文様が大きく華やかなのが特徴的

基礎 東面

東面の側面は、格狭間内に大きく開蓮華文様を刻む

基礎 西面

西面の側面は、格狭間内に大きく東面と違ったデザインの開蓮華文様を刻む。背面は、格狭間のみとする。

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聞空寺(もんくうじ)本堂 (真宗大谷派)

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*近江鉄道「日野駅」より、近江鉄道バス 「北畑口バス停」下車 徒歩。もしくは日野記念病院前から日野町コミュニティバス熊野神社行きに乗車、「西蔵王バス停」下車 南方向へ 約200m。または、近江鉄道 日野駅から徒歩数分の日野レンタサイクル(西塚自転車店)でレンタサイクルを借りるのが便利。

(撮影:平成23年10月19日)