千丈寺(せんじょうじ)宝篋印塔

 千丈寺(せんじょうじ)(兵庫県丹波市春日町稲塚字大野)

   宝篋印塔は、室町時代初期の作品と推定されおり、塔身を挟んで、上下とも複弁反花で荘厳されている。

千丈寺(せんじょうじ)宝篋印塔 (県指定文化財、室町時代初期 、流紋岩、高さ 124Cm)

塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(正面、キリーク:阿弥陀)
宝篋印塔は、本堂から北東へ、 約40m離れた山裾に立っている 塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(西面、アク:不空成就)

下端は複弁の蓮弁、上端は珍しい五段、隅飾は二弧輪郭付で内は無地、やや外傾する

塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(背面、ウーン:阿閦)
塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(東面、タラーク:宝生) 宝篋印塔は、黒井城主であった赤井氏一族の供養塔と考えられている

基礎 正面

基礎上端は複弁反花、側面は輪郭を巻き、格狭間をつくる。

相輪は、下から伏鉢、請花、九輪、請花、宝珠で、九輪の中央部が折れ、修理を施す。塔身を挟んで、上下とも複弁反花で荘厳されている。

石塔 群

歴代住職墓(無縫塔)の上座に据えられ、両端にも小型の宝篋印塔が安置されている。

  千丈寺(せんじょうじ)宝篋印塔(向かって左端)

相輪上部を欠失する。笠の段型は、下二段、上六段で通常型、隅飾りは二弧輪郭付で、外傾する。塔身は、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む

基礎は、上端が複弁反花、側面は三面が輪郭を巻き内に形のよい格狭間をつくり、一面は無地。

千丈寺から移設した興禅寺嘉吉三年(1443)銘宝篋印塔興禅寺文安五年(1448)銘宝篋印塔に酷似し、同時代 室町時代前期の作品と思われる。

  千丈寺(せんじょうじ)宝篋印塔(向かって右端)

相輪を欠失し、小五輪塔の風・空輪を載せる。笠の段型は、下二段、上六段で通常型、隅飾りは二弧輪郭付で、やや外傾する。

塔身は、金剛界四仏の種子を刻むが、基礎や笠に比し小さく、別物と思われる。基礎は、上端が複弁反花、側面は輪郭を巻き内に形のよい格狭間をつくる。

 興禅寺(こうぜんじ)嘉吉三年銘 宝篋印塔                      石仏と石塔-目次!

千丈寺(せんじょうじ)本堂

宝篋印塔紀年順

  信楽寺(しんぎょうじ)宝篋印塔(室町時代前期)

 宝篋印塔-紀年順-目次

*JR福知山線 「黒井駅」 下車、北西方向へ 約2.8Km。寺は、大野集落の東端で、千丈寺山の西 約300mに位置する。

(撮影:平成23年8月17日)