厳島神社(いつくしまじんじゃ)(熊本県熊本市植木町豊岡)
日本第二位の古い笠塔婆が残る円台寺関係の遺品で、鎌倉時代後期 元亨二年(1322)の銘がある。
厳島神社五輪塔(船底五輪塔)(県指定文化財、鎌倉時代後期 元亨二年 1322年、安山岩、高さ 133Cm)
風・空輪、一石からなり、両輪とも大振りで、空輪の尖りはわずか | ||
厳島神社の石段を登り切った右手に立っている。船底は、旧地名 | 火輪、ゆったりと反り、軒先が少し上に上がる |
水 輪
角ばった球形で、四面に胎蔵界大日如来の種子「ア」を薬研彫する。
梵字は、水輪だけに刻み大日塔とする。地輪の刻銘により、円台寺住僧貞珍の霊を弔う為、弟子の珍祐が墓塔として造立したことが分かる |
地 輪 西 面
刻銘から、円台寺関係の遺品と知れる。円台寺には、建久三年(1193)銘の笠塔婆や石仏など多数の石造遺品が残っている。
刻銘全文 :「奉造立五輪塔婆一基、右志趣者、為円台寺住僧阿闍梨貞珍聖霊成佛得道、乃至法界平等利益也、
仍所奉造立如件、元亨二年(1322)壬戌十二月廿日、入滅六十二、弟子僧珍祐敬白」
刻銘 ②、(③へ続く) | 刻銘 ①、(②へ続く) |
地輪の刻銘
刻銘 ①:「奉造立五輪塔婆一基、右志趣者 為円台寺、住僧阿闍梨貞珍聖霊」
刻銘 ②:「成佛得道 乃至法界平、等利益也 仍所奉造立、如件」
刻銘 ③:「元亨二年(1322)、壬戌、十二月廿日、入滅六十二、弟子僧珍祐、敬白」
刻銘 ③ | 厳島神社自然石塔婆(県指定文化財、安山岩、高さ 50Cm) |
板碑は、神社の奥に二基立っている。どちらも自然石の中央に舟形を彫りくぼめ、五輪塔を浮彫にする。
各輪に五輪塔四門の梵字の内、発心門の梵字 「キャ・カ・ラ・バ・ア」を刻んでいる。
厳島神社自然石塔婆(県指定文化財、安山岩、高さ 60Cm)
二基板碑は、地元で「お薬師さん」と呼ばれ、信仰されている。
厳島神社 五輪塔群
県文 五輪塔の後方に、小型の五輪塔が数基立っている。
厳島神社 (いつくしまじんじゃ)
五輪塔は、鳥居をくぐり、石段を登り切ると右手に立っている。
五輪塔紀年順 | 高野山 奥の院休憩所五輪塔(正中二年銘)(鎌倉時代後期) | 五輪塔-紀年順-目次 |
*JR 鹿児島本線「田原坂駅」下車、北方向へ 約1.4Km。
(撮影:平成24年1月27日)