西安寺(さいあんじ)五輪塔 二号塔

 西安寺(さいあんじ)五輪塔群(熊本県玉名郡玉東町西安寺)

   西安寺五輪塔群 六基の内 最古最大の五輪塔で、鎌倉幕府から派遣された遠江(現静岡県)の相良氏が建立した。鎌倉時代中期 正嘉元年(1257)の銘がある。

西安寺五輪塔 二号塔 (県指定文化財、鎌倉時代中期 正嘉元年 1257年、凝灰岩、高さ 232.7Cm)

風・空輪、両輪とも形良く、空輪が蓮の蕾(つぼみ)形をしている
六基立つ五輪塔群の中心となる塔で、向かって右から二番目の塔 水輪、円筒に近い球形で、重厚感がある

五輪塔は、各輪に月輪を線刻し、内に四門の梵字を薬研彫する。各々の梵字は、力強く美しい。

火 輪

軒口厚く、両端に向かって力強く反り、軒下も厚い。

四門の梵字は、正面が 「キャ・カ・ラ・バ・ア」で、東方:発心門となっている。火輪(笠)の形状は、翼を広げた大鳥の様で堂々としている。

五輪塔 四門の梵字、上(空輪)から下(地輪)へ

キャ・カ・ラ・バ・ア   (東方、発心門)               キャー・カー・ラー・バー・アー   (南方、修行門)

ケン・カン・ラン・バン・アン   (西方、菩提門)         キャク・カク・ラク・バク・アク    (北方、涅槃門)

地 輪 西 面

地輪の背は低く、頂部中央がわずかに膨らみ水切りになっている。西面梵字「アン」の両側に刻銘がある。

刻銘全文 「奉造立、五輪率都婆一基、正嘉元年(1257)八月 日」

「当寺大檀那、遠江国住人、相良五郎左衛門、入道浄信」

刻銘:「当寺大檀那、遠江国住人、相良五郎左衛門、入道浄信」 刻銘:「奉造立、五輪率都婆一基、正嘉元年(1257)八月 日」

地輪の刻銘は、いかにも武士の供養塔らしく簡素で、造立者名と紀年銘だけを刻み願文がない。

西安寺 五輪塔群、主要三基

中央の最も大きい五輪塔が二号塔(②)で、西安寺を創建した山北相良(やまきたさがら)氏の祖 相良頼平(よりひら)の逆修供養塔

 西安寺(さいあんじ)五輪塔 三号塔                           石仏と石塔-目次!

西安寺 五輪塔群

五輪塔群は向かって右から一号塔~六号塔。切石の基壇上に安置され、一・三号塔は更に一段、二号塔は二段積上げられている

は嘉元二年(1304)銘、は正応元年(1288)、は文中二年(1373)銘、は嘉元二年(1304)銘

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*JR 鹿児島本線「田原坂駅」下車、南西方向へ 約2Km。白山宮の石鳥居をくぐり、拝殿の前を左手に行くと、奥にこの五輪塔群が立っている。

(撮影:平成24年1月27日)