海住山寺(かいじゅうせんじ)(京都府木津川市加茂町例幣海住山20))

  聖武天皇の勅により良弁(ろうべん)が開いたと伝える真言宗智山派の寺院

海住山寺五重塔(国宝、鎌倉時代前期 建保2年 1214年、本瓦葺、高さ17.7m)


五・四重部(組物は二手先で軒は二軒繁垂木)


三・二重部(組物は二手先、軒は二軒繁垂木)

鎌倉時代のものとして唯一残る五重塔。裳階(もこし)を持つ五重塔は法隆寺とこの塔のみ

五重塔としては、室生寺に次いで小さい

最下層に木形銅板葺きの裳階(もこし)がついている。裳階は塔建立後、10年ほど経って設けられた

江戸時代に入る頃までに、裳階は撤去されその部材は初層の修理に使われた。昭和36年からの修理で再び取り付けられた



二層部(この層のみ中備えの中央間に間斗束を置く)

相輪部の水煙
相輪は金色に塗られ目立つ
各層の組物は三手先ではなく二手先とする
二手先とするのは、塔の規模が小さいからで、珍しい


初層の屋根(本瓦葺・軒反りが美しい)

海住山寺は、天平七年(735年)良弁の開創した観音寺に始まる

塔、四隅の鬼瓦


初層の風鐸

裳階(もこし)の軒

 塔は、高欄のない縁をめぐらし中央間板唐戸脇間連子窓、組物は二手先組物、軒は二軒繁垂木

本堂の瓦(大きな瓦の流れが面白いとおもった)

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二手先組物と二軒繁垂木

三・四層がこのタイプの軒丸瓦

高欄のない広い縁に、裳階(もこし)の柱が立つ

初層内部は心柱を天井上に立てている。心柱を天井の上に立てることは、三重塔では平安後期から行われたが五重塔では、この塔が最古。

(平成16年9月25日撮影)