新海三社神社(しんかいさんしゃじんじゃ)三重塔(長野県佐久市田口宮代2392)

 新海三社神社は、佐久地方開拓の祖神「興波岐命」を主命とし、その父神「建御名方命」と伯父神「事代主命」の三つの神を祀ることから

 新海三社神社と呼ばれている。さらに源頼朝が源氏の祖神「誉田別命」を合祀し、甲斐源氏の流れを汲む武田信玄が再興した

新海三社神社三重塔(重要文化財、室町時代 永正十二年 1515年、こけら葺き、高さ18.9m)


三層部、中備えは中央部のみ束のない間斗束

二層部、中備えは三間とも束のない間斗束

三重塔は、風鐸の銘により室町時代の永正十二年(1515)の建立と考えられている

塔は、高欄のない縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間板張り、中備えは三間とも束のない間斗束


三層部、三手先組物と二軒繁垂木

初層、軒は扇垂木、組物は三手先組物

三重塔の二・三層は平行二軒繁垂木。相輪は鋳鉄製、長方形の水煙の中は唐草の文様になっている

塔の初層を扇垂木としているのは、大変珍しい


三手先組物

二層部、三手先組物。屋根はこけら葺

明治時代 廃仏毀釈の折、桟唐戸と脇間を板張りにし、神社の宝庫として難を逃れた  

武田信玄が再興した東本殿(重要文化財、室町時代)と三重塔

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木の香りも新しい、新海三社神社の大きな鳥居

新海三社神社本殿

古来、源氏、足利氏、田口氏、武田氏、徳川氏らの武将をはじめ多くの人々から敬われている佐久の一の宮

*JR小梅線 臼田駅下車 徒歩25分。H18年12月31日、リニューアル。

(平成16年4月30日撮影)