安楽寺(あんらくじ)三重塔初層(御所市稲宿1084)

   この地は、聖徳太子の創建した葛城寺の址にあたる

安楽寺(あんらくじ)三重塔初層(重要文化財、鎌倉時代後期、本瓦葺、一辺4.46m)


本瓦葺屋根の頂上には露盤宝珠を上げる

組物は三手先、軒は二軒繁垂木

もと三重塔であったが、上層を失い、初層のみが残された

塔は高欄のない縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも間斗束


三手先組物

二軒繁垂木と三手先組物

屋根の母屋に「三重之宝塔ハ正嘉二年十月十日ニ重下シテ一重ト改」と墨書されている。正嘉二年(1258)に改築された

四隅の風鐸

三手先組物(部分)


三手先組物

三手先組物部分

塔は、丘の上に取り残されたように建っていた

塔の内部は四天柱があり仏壇を仮設する

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建物が重厚で、大寺の三重塔の面影がある

*近鉄吉野線 葛(くず)駅下車 徒歩約10分。静かな場所にあり、今回二度目だが、人気(ひとけ)はあまりない。塔は、初層のみにかかわらず存在感があり、見ていて飽きない。

(平成18年12月24日撮影)