法起寺(ほっきじ)三重塔(生駒郡斑鳩町岡本1873)

  聖徳太子の七寺の一つ。飛鳥時代に建立された日本最古の三重塔をもつ

法起寺(ほっきじ)三重塔(国宝、飛鳥時代 慶雲三年 706年、本瓦葺、高さ 23.9m)


三層部は逓減が大きいため柱間二間とする。各間、連子窓

二層部、柱間三間、高欄は卍崩し

法起寺は聖徳太子の遺命により岡本宮(おかもとのみや)を寺に改めたものと伝えられる

塔は、基壇上に建ち中央間板唐戸、脇間白壁、組物は雲肘木、中備えはなく、軒は一軒角垂木、柱は円柱でエンタシスが入る


三層部の雲肘木。隅尾垂木上に鬼斗が入っている

二層部、雲肘木。軒は一軒角垂木

相輪は江戸時代延宝六年(1678)の修理の際に取り付けられたもの。明治の修理前で、九輪が六個だったものを九個に改められた

塔の内部は中心に心柱、四天柱が立ちその間を須弥壇にしている。仏壇には大行天皇(たいこうてんのう) 尊儀と書かれた位牌を祀る

大行天皇:天皇の死後、まだ諡(おくりな)がつけられていない間の尊称。さきのすめらみこと


二層部の鬼瓦

初層の雲肘木

木造十一面観音菩薩立像(重要文化財・十世紀後半・幹部は杉の一材から彫出・高さ 350cm)

法起寺は室町時代に衰え、江戸時代の初めの頃には三重塔のみを残すのみであったという

親政円忍とその弟子たちが延宝六年(1678)に三重塔を修復したのに始まり、講堂、聖天堂を建立し、現在の寺観が整えられた

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  法起寺講堂(江戸時代 元禄七年 1694年再建、本瓦葺)

(平成17年9月18日撮影)