本山寺(ほんざんじ)応永六年銘 宝篋印塔

 本山寺(ほんざんじ)(岡山県久米郡美咲町定宗403)

   長承元年(1132年)稲岡ノ庄(誕生寺)の漆間時国(うるまときくに)公夫妻が本山寺に参詣し、祈願して生まれたのが法然上人(源空)という。

本山寺(ほんざんじ)宝篋印塔(県指定文化財、室町時代初期 応永六年 1399年、花崗岩、高さ 142Cm)

塔身正面、線刻月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就如来)
本山寺 御霊屋の前、小さな池の南西側に立っている 塔身東面、線刻月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来)

笠の段型は、下二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付で内は無地、やや外傾する

塔身背面、線刻月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来)
塔身西面、線刻月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀如来) 完存する宝篋印塔で、室町時代初期 応永六年(1399)の在銘

宝篋印塔は、近畿中心地のものに比べ幅が狭く細長い。また、基礎下に複弁反花座を設ける等、関西形式中の中国地方系と位置付けられている。

基礎 正面

基礎上端は複弁反花、側面は輪郭を巻き内に格狭間をつくる。正面両側の束に刻銘がある。

刻銘:「応永六(1399)己卯四月 日」「願主僧久泰」

相輪は素朴な形で下から、伏鉢、請花、九輪が七輪、請花、宝珠で、伏鉢の背が高い。九輪が通常より二輪少ない七輪となっている

複弁 反花座

複弁反花座上に宝篋印塔を据える

本山寺三重塔(重要文化財、江戸時代前期 承応元年 1652年、桧皮葺、高さ 26.4m)

秋の紅葉シーズン直前の本山寺三重塔

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本山寺(ほんざんじ)本堂(重要文化財、南北朝時代 観応元年 1350年、桧皮葺、折衷様)

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*JR津山線 「弓削駅」 下車、東北東方向へ 約6Km。弓削駅前でタクシーを呼べる。

(撮影:平成16年11月14日、平成23年7月18日)