長福寺(ちょうふくじ)三重塔(岡山県美作市真神414)

  和様の三重塔は、鎌倉時代の様式をよく伝える岡山県最古の木造建造物

長福寺三重塔(重要文化財、鎌倉時代 弘安八年 1285年、こけら葺、高さ 22m)


三層部(間斗束は中央間のみにおく)

二層部(中備えは三間とも間斗束)

長福寺は、奈良時代の天平宝字元年(757年)、孝謙天皇の勅願により鑑真和尚が開基されたと伝えられる真言宗の名刹

塔は、擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、組物は三手先、中備えは三間とも間斗束

初層内部は、四天柱があり、中央に見せ掛けの心柱が通る


軒の風鐸

三手先組物と二軒繁垂木

相輪は、鉄製。この寺は、もとは真木山の山頂にあった。

弘安八年(1285年)に天台宗の円源上人が中興し、明徳年間(1350年頃)に真言宗の寺院となった


高欄とこけら葺の屋根(もとは茅葺であったという)

三手先組物

盛時には60余坊が建ちならんだが、度重なる火災で衰え、昭和三年に塔を残し現在地に移り、塔も昭和26年に現在地に移った

塔は、岡山県下最古の木造建築物で、鎌倉時代中期の弘安八年(1285年)建立になる

塔は、現在集落にあるため遠くからでも良く見える。中世の美しい塔

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軒の反りが上品で美しい


相輪部の水煙(鉄製で整った形をしている)

長福寺正面

(平成16年11月13日撮影)