富貴寺(ふきじ)宝塔(国東塔)

 富貴寺(ふきじ)[大分県豊後高田市田染(たしぶ)蕗2395]

   銘がなく、基礎側面・反花座は無地、請花は南面等が刻まれておらず、未完成の塔とも呼ばれる。

富貴寺(ふきじ)宝塔(国東塔)(市指定文化財、室町時代前期、安山岩、高さ 319Cm)

笠上端の露盤、台形で、側面は四面とも二区に分かち内に格狭間をつくる
富貴寺大堂(国宝)西側、笠塔婆の奥に立っている 塔身首部、首部は低く、納入孔が穿たれている

形は工芸的で智恩寺と同型。傾斜はやや深く、両端で強く反り、上端に露盤を刻出する。

相輪は下から、請花・九輪・請花・火焔宝珠で、最下の伏鉢が見当たらない。石塔に刻銘はなく、造形的に室町時代前期の作品と見られる

塔身

壺型で低い首部を作り出す。側面は無地で、首部に納入孔を穿つ

智恩寺と同型の国東塔で、各部の調和がとれて美しい。反花座は全面、請花は南面等の蓮弁が刻まれておらず未完成塔といわれる

反花・請花

反花座は基礎と一石で作り、別石の請花を載せる。

反花・請花・基礎(南面)

請花は南面等、反花は全体の蓮弁が刻まれていない。

基 壇 ・基 礎

基壇は一段、切石で作る。基礎は、上端の反花座と一石、反花座と基礎側面は無地で、未完成に終わっている。

富貴寺(ふきじ)小型宝塔(国東塔)

富貴寺(ふきじ)小型宝塔(国東塔)(安土桃山時代 慶長八年 1603年、安山岩、高さ 150Cm)

 富貴寺(ふきじ)胎蔵界大日種子板碑                      石仏と石塔-目次!

大型国東塔の横に立っている。相輪は五輪を残し、上部を欠損する。また、塔身と下の請花が極端に小さくバランスを欠いている。

塔身に、「慶長八年(1603)癸卯」「口口禅定門、神儀」「口月五日」の墨書銘がある

石造宝塔 紀年順  石造宝塔-紀年順-目次

*かっては宇佐駅からの便があったが、今は廃線になっている。公共交通としては、JR大分駅前・別府駅前・宇佐駅前(同じバス)から大分交通バスの「国東半島史跡めぐり」という定期観光バスの便があるが、1日コースのツアーになり自由に時間をとれない。少し距離はあるが 頑張って、宇佐神宮前の「宇佐観光協会」で電動レンタサイクルを借りて回るという手もある。

(撮影:平成23年3月16日)