岩湧寺(いわわくでら)多宝塔(河内長野市加賀田)

  文武天皇の勅願寺で役小角の開基であるとされている

岩湧寺多宝塔(重要文化財、室町時代 天文年間 1532〜1555年、銅板葺、高さ 約13m)


上重は四手先組物

下重、中備えは中飾りのない蟇股

現在は、融通念仏宗に属しているが、往古は天台宗の霊場であったと伝えられている

高欄のない縁をめぐらし、正面のみ中央間桟唐戸、脇間板張り、組物は平三斗


上重の軒は二軒繁垂木

下重の組物は平三つ斗

境内の杉林は、樹齢400年を超える。森閑とした空間がすばらしい

上重の軒と尾垂木、組物が見事に溶け合って独特の美を演出する


宝珠(ほうじゅ)と花輪(かりん)

下重の風鐸(ふうたく)

内部は来迎柱が二本あり、彩色した虹梁でつないでいる。中央に重文の金剛界大日如来(平安末期)を祀る

岩湧寺は、岩湧山(標高 898m)の中腹にある。木々が色づく季節、訪れる人はハイキングで来られた人が多い

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本堂(側面は柱間四間)

本堂正面(柱間三間・銅版葺)
十三重石塔 本堂(市指定文化財・江戸時代初期)

(平成16年11月3日 撮影)