妙光寺(みょうこうじ)大日種子 改刻板碑

 妙光寺(みょうこうじ)(埼玉県比企郡鳩山町大字熊井598)

  弘安九年(1286)銘板碑と同寸同形で、一対になっており同時期に造立されたと思われる。残念ながら改刻され、紀年銘は残っていない。

妙光寺(みょうこうじ)金剛界大日種子板碑(鎌倉時代中期 、緑泥片岩、高さ 177Cm 下幅 45Cm)

身部は、上方に金剛界大日の種子「バン」を蓮華座上に薬研彫し、その下に追刻の「開山竺翁」 等の刻銘がある。紀年銘は、残っていない。

板碑 頭部

頭部山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻く。

蓮華座上に月輪を線刻し、内に金剛界大日の種子「バン」を刻む 身部下方の刻銘

刻銘 : 蓮華座の右側に「熊井山妙光寺」、下方に「開山竺翁」、その下に十七名の僧名を同じ字体で刻んでいる。

「熊井山妙光寺」の位置が不自然で、斜めになり、字体も「弘安九年銘板碑」と異なり、紀年銘も残っていない。板碑の銘文は、改刻と考えられている。

身部、中央

蓮華座の右側に「熊井山妙光寺」、下に「開山竺翁」と刻んでいる。

板碑は、「開山竺翁」と古い板碑の上に後刻されている。 板碑下方の刻銘、十七名の僧名を刻む。

妙光寺は、鎌倉時代中期 文永元年(1264)に 僧「竺翁」が開山した。竺翁を慕う後世の僧たちが、彫りの浅い表面を削り僧名を刻んだものと思われる。

板碑、根部

根部は、突出する。

 妙光寺(みょうこうじ)阿弥陀種子 断碑 (埼玉県比企郡鳩山町大字熊井598)

妙光寺 阿弥陀種子板碑(南北朝時代前期 暦応二年 1339年、緑泥片岩、高さ 71Cm 幅 30Cm)

板碑は、上部を欠失する。身部は一重線の輪郭を巻き、蓮華座上月輪内に阿弥陀の種子「キリーク」、下方に紀年銘を刻む。

身部、下方の刻銘

刻銘:「暦応二年、己卯、(1339)十月廿日、徳阿、逆修」

 高蔵寺(こうぞうじ)延慶三年銘 阿弥陀三尊種子板碑               石仏と石塔-目次!

二基の板碑

二基の板碑は同形・同寸で、主尊も同じ金剛界大日如来。向って右側の板碑は、弘安九年(1286)銘板碑。

 板碑(いたび)

*JR八高線・東武越生線 越生(おごせ)駅前から、北東方向へ約4.5Km。この日は、越生町観光案内所で期間限定無料レンタサイクルをしていたので、足をのばすことができた。

(撮影:平成24年11月9日)