玉蓮寺(ぎょくれんじ)元徳二年銘板碑(断碑)

 玉蓮寺(ぎょくれんじ)(埼玉県本庄市児玉町児玉203)

  隣に立つ釈迦一尊種子板碑(嘉元二年:1304年)をモデルにした板碑で、元は2メートルを超す大きな板碑であったと想像できる

玉蓮寺(ぎょくれんじ)板碑(断碑)(鎌倉時代末期 元徳二年 1330年、緑泥片岩、高さ 98Cm 下幅 53Cm)

板碑は、上半を欠損する。身部は二重線の輪郭で、身部上方に法華経方便品の偈、下方中央に紀年銘、左右に願文を刻んでいる

身部 法華経方便品の偈(げ)

偈(げ):「若有聞法者(にゃくうもんぼうしゃ)、無一不成仏(むいちふじょうぶつ)

[若し法を聞くことあらん者は、ひとりとして成仏せずということはない]

紀年銘と願文

紀年銘:「元徳二(1330)・・・・月三日」

願文:「右旨趣者為口口法華一千部、結衆幷結縁助成在口出家」「・・・・・・・・・・・・・・、菩提乃至法界平等利益也」

願文の文面が、隣に立つ釈迦一尊種子板碑によく似ている。法華経方便品の偈を上に頂くことも同じ。造立は26年後の鎌倉時代末期 元徳二年(1330)。

紀年銘:「元徳二(1330)・・・・月三日」 元は、2メートルを超す大きな板碑であったと想像できる

 玉蓮寺(ぎょくれんじ)改刻題目板碑

  元あった板碑の輪郭内を彫りくぼめ、ひげ文字で「南無妙法蓮華経」の題目が刻まれ、板碑の制作が終わった江戸時代 寛文三年(1663)の紀年銘が刻まれている。

玉蓮寺(ぎょくれんじ)改刻題目板碑 (年代不明、緑泥片岩、高さ 151Cm 下幅 85Cm)

板碑中央に、「南無妙法蓮華経」の題目が刻まれている 改刻した年代と思われる「寛文三年(1663)の紀年銘がある

武蔵型板碑は、上限年代が須賀広 嘉禄三年銘(1227)板碑で、下限が埼玉県戸田市 妙顕寺の慶長三年(1598)、寛文三年(1663)には板碑の制作は終わっている。

 玉蓮寺(ぎょくれんじ)阿弥陀一尊種子板碑

玉蓮寺(ぎょくれんじ)阿弥陀一尊種子板碑(年代不明、緑泥片岩、高さ 65Cm 下幅 23Cm)

蓮華座上に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻んだ板碑で、磨滅の為詳細不明。小さいながら格調高く立っている。

 玉蓮寺(ぎょくれんじ)阿弥陀三尊種子板碑(断碑)

阿弥陀三尊種子板碑(年代不明、緑泥片岩) 阿弥陀三尊種子板碑(南北朝前期 康永四年 1345年、高さ51Cm)

玉蓮寺(ぎょくれんじ)板碑群

釈迦一尊種子板碑を中心に、手前に阿弥陀三尊種子の小板碑が二基、向かって左奥に改刻題目板碑、

左端に元徳二年銘板碑、右奥に阿弥陀一尊種子板碑が立っている。

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玉蓮寺(ぎょくれんじ) (日蓮宗)

 板碑(いたび)

*JR八高線 「児玉駅」下車、南方向へ徒歩 約9分。

(撮影:平成23年11月1日)