福寿院(ふくじゅいん)善光寺三尊板碑

 福寿院(ふくじゅいん)(埼玉県熊谷市弥藤吾2002)

  全国にも数少ない一光三尊の善光寺阿弥陀三尊を刻んだ板碑で、妻沼地区に三基ある内の一基。完形を保っている。

福寿院 善光寺三尊板碑(市指定文化財、鎌倉時代、緑泥片岩、高さ 131Cm 下幅 52Cm)

本堂正面、寺院入口に立つ。頭部山形、下に二条線、、身部は上方を舟形に彫り沈め、一光三尊の善光寺式阿弥陀三尊を半肉彫りする

善光寺三尊板碑は全国的にも数少ないが、妻沼地区に三基の善光寺式三尊板碑がある。本板碑の他、歓喜院(かんぎいん)、と能護寺(のうごじ)にある。

板碑 頭部

頭部は低い山形、下に二条線、身部の輪郭線はない。

舟形を彫りくぼめ三尊を覆う光背にする。三尊は各々、反花付蓮華座上に阿弥陀・観音・勢至の各尊像、背後に七体の化仏を刻む。

中尊の阿弥陀如来は、頭光を負い来迎印を結んでいる。

中尊 阿弥陀如来

背後に七体の化仏を刻むが、能護寺と同様に中尊の頭光から枝状に化仏へと繋がる七本の茎はない。

勢至菩薩(向かって左側の脇侍 観音菩薩(向かって右側の脇侍

両脇侍は、頭上に宝冠を戴き、勢至菩薩は合掌する。

板碑 下方

碑面の下方は、磨滅しているが刻銘はない。

善光寺三尊板碑は、摩耗しているが完形を保っている 板碑 側・背面、碑面は滑らか。厚さ9Cmで、やや分厚い。

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福寿院(ふくじゅいん)(真言宗智山派)

 板碑(いたび)

*JR熊谷駅前から朝日バス太田駅・西小泉・妻沼・妻沼聖天前行きに乗車、「三ツ橋バス停」下車、西北西方向へ徒歩 約800m。

(撮影:平成24年4月22日)