能護寺(のうごじ)善光寺三尊板碑

 能護寺(のうごじ)(埼玉県熊谷市永井太田1141)

  全国にも数少ない一光三尊の善光寺阿弥陀三尊を刻んだ板碑で、妻沼地区に三基ある内の一基。この板碑が最も摩耗が少ない。

能護寺 善光寺三尊板碑(市指定文化財、鎌倉時代、緑泥片岩、高さ 140Cm 下幅 48Cm)

本堂西側、墓地入口に立つ。頭部山形、下に二条線、、身部は上方を舟形に彫り沈め、一光三尊の善光寺式阿弥陀三尊を半肉彫りする

善光寺三尊板碑は全国的にも数少ないが、妻沼地区に三基の善光寺式三尊板碑がある。本板碑の他、歓喜院(かんぎいん)、と福寿院(ふくじゅいん)にある。

その他、徳島県 神光寺に優れた善光寺三尊板碑がある。

板碑 頭部

板碑上部、向かって左側を欠損する。頭部は低い山形、下に二条線、身部の輪郭線はない。

最下に各々、反花付蓮華座、その上に阿弥陀・観音・勢至の各尊像、背後に七体の化仏を刻む。舟形光背は、三尊すべてを覆う

中尊の阿弥陀如来は、頭光を負い右手は施無畏印(せむいいん)、左手は与願印(よがんいん)を結んでいる。

中尊 阿弥陀如来

背後に七体の化仏が刻まれるが、中尊の頭光から枝状に化仏へと繋がる七本の茎はない。

勢至菩薩(向かって左側の脇侍 観音菩薩(向かって右側の脇侍

両脇侍は、頭上に宝冠を戴き、両手は胸前で両手を重ねる梵篋印(ぼんきょういん)を結んでいる。

三尊 下方

三尊は、各々反花(かえりばな)付の蓮華座上に立つ。

妻沼地区の善光寺三尊板碑の中で、一番摩耗が少ない 板碑 背面、碑面は滑らかで、仕上げがしてある。

能護寺(のうごじ)本堂

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能護寺(のうごじ)( 高野山真言宗)

能護寺は、別名 「あじさい寺」と呼ばれ、あじさいの見所として有名。

 板碑(いたび)

*JR籠原駅南口から熊谷市ゆうゆうバス 妻沼行政センター行き(グライダー号)に乗車、「あじさい寺(能護寺)バス停」下車、すぐ。

(撮影:平成24年4月22日)