仲山寺(ちゅうせんじ)名号板碑

 仲山寺(ちゅうせんじ)(島根県安来市西赤江町374)

  金剛界大日と阿弥陀の種子、並びに「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻んだ板碑で、紀年銘はないが南北朝時代前期の作品と考えられている。

仲山寺名号板碑 (市指定文化財、南北朝時代前期、安山岩、高さ 約200Cm 下幅 31Cm)

本堂裏、少し登った位置に立つ。頭部山形、身部に金剛界大日と阿弥陀の種子、その下に大きく「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻んでいる

板碑 頭部

頭部の山形はとがり、下に二段の切込。額部は、約6Cm突出する。

身部最上部、向かって右側に金剛界大日如来の種子「バン」、左に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻み、その下に大きく「南無阿弥陀仏」と刻む

身部 最上部

向かって右側に金剛界大日如来の種子「バン」、左側に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻む。

板碑は、厚さも最大約21Cmと分厚く、内側へ弓なりに反る。大日と阿弥陀の種子を刻んでいるところから天台浄土系の信仰とみられている

安来市では、権現山種子板碑や日立金属安来工場内にある仏島種子板碑(室町時代)が、金剛界大日と阿弥陀三尊の種子を刻んでおり、同様に天台浄土系の信仰と思われる。

仲山寺 本堂

板碑は、本堂の向かって左側を抜け、少し登った所に立っている。

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仲山寺(ちゅうせんじ)(曹洞宗)

 板碑(いたび)

*JR山陰本線 「荒島駅」下車、南東方向へ徒歩 約17分。

(撮影:平成24年9月17日)