茨城県の塔

 来迎院

 来迎院(らいごういん)多宝塔(茨城県龍ヶ崎市馴馬町2362)

  関東以北で、現存する最古の塔といわれている多宝塔

来迎院多宝塔(重要文化財、室町時代 弘冶2年 1556年、こけら葺、高さ 13m)


上重、四手先組物、軒は二軒繁垂木

下重、組物は出組、軒反りが美しい

来迎院は天台宗の寺院で、創立は延長年間(923〜930)といわれている

塔は高欄のない縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間板張り、中備えは中央間のみ束のない間斗束


上重、四手先組物と二軒繁垂木

下重、出組と軒(二軒繁垂木)

相輪は多宝塔の形式で四隅に宝鎖をおろす

塔の内部は来迎柱・須弥壇があり多宝・釈迦の両如来を安置するという


下重の風鐸

下重、出組と木鼻・拳鼻

平成10〜12年に行われた改修工事で、多宝塔の宝珠の銘盤に弘治二年(1556)に土岐治英が

塔の修繕をするための施主を務めていることがわかり、建立年代がさかのぼると予想されている

寺院には通路に、古い石仏が置かれている

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関東地方に少ない貴重な多宝塔

*関東鉄道竜ヶ崎線、竜ヶ崎下車 徒歩約20分。この日は天気もよく塔は背景よりかなり暗くコントラストがきつい条件だったが何とかクリアできた。見た目より写真写りが良い塔だと思った。やはり歴史に裏付けされた歴史の重さかもしれない。

(平成18年3月20日撮影)