埼玉県の塔

安楽寺(吉見観音)

 安楽寺(あんらくじ)三重塔(埼玉県比企郡吉見町御所374)

 「吉見観音(よしみかんのん)」の名で親しまれている坂東十一番札所。真言宗智山派の寺院。

安楽寺三重塔(県指定文化財、江戸時代 明暦2年 1656年頃建立、銅板葺、高さ 24.3m)


三層部、軒は二軒繁垂木。中央間のみ撥束

二層部は三層部と同じ。組物は三手先組物

安楽寺は行基菩薩の草創と伝えられ、大同元年(806)坂上田村麻呂によって、吉見領の総鎮守とされた

塔は高欄のない縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも撥束


二層部の三手先組物

初層部の三手先組物と二軒繁垂木

相輪は鉄製で型の通り

源頼朝の弟、範頼が稚児僧としてこの寺に隠れ住み、頼朝の挙兵に従った。後、範頼は領主になり所領の半分を寄進した

三重塔の内部は、四天柱・来迎壁があり誕生釈迦尊像を安置する


二層部の組高欄

初層の屋根が緑に映えて美しい

天文年間(1532-54)の上杉憲政と北条氏康の松山城合戦に際し、すべての伽藍は焼失した。現在の本堂は寛文元年(1661)に再建された

安楽寺本堂(江戸時代 寛文元年 1661年・五間堂の平面を持つ密教本堂)

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安楽寺仁王門(町指定文化財・江戸時代 元禄15年)

安楽寺仁王門(町文・正面より)

((平成17年8月15日撮影)

*最寄の駅は東武鉄道東上線、東松山駅ですが、下車後のバス便がなく、都会の割には行くのに不便な所です。