薬師寺(やくしじ)東塔(奈良市西ノ京町457)

  洗練された美を誇る日本で三番目に古い塔。「凍れる音楽」と呼ばれる

薬師寺(やくしじ)東塔三重塔(国宝、白鳳時代 730年、本瓦葺、高さ 33.6m)


三層部の本体のみ二間、裳階は方三間

二層部は裳階とも方三間

 東塔は、天平二年(730年)の建立で薬師寺創建時の唯一残る建造物。後世の改造が少なく相輪まで当初のまま残る

 

塔は基壇上に建ち、裳階(もこし)をつけている為六重に見える。中央間板唐戸、脇間白壁、中備えは間斗束



高欄部


組物は初期三手先組物、裳階は平三斗

相輪は建物全体の三分の一近くを占め、刹管(さっかん)には薬師寺創立の由来を語る銘文が刻まれている

九輪・水煙には当初、風鐸が付いていた

薬師寺東塔の洗練された美しさは、日本で右にでる塔はない。日本一の塔だと思う


軒丸瓦

 初層には釈迦八相成道の塑像群があったが今はない。現在、塔内には釈迦苦行像と平安時代後期の四天王像を祀る

三手先組物は、軒小天井のみで支輪がなく、手先の斗(ます)も上下に重ねておかない。肘木には舌(ぜつ)と呼ばれる突起が付く

  

軒は地垂木が円形の二軒繁垂木 組物は初期三手先組物

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向かって左側より金堂、東塔三重塔、西塔三重塔

ゆく秋の 大和の国の薬師寺の

                         塔のうえなる ひとひらのくも            佐々木信綱

(平成16年10月11日撮影)