春日(かすが)大日種子自然石塔婆(梵字仏)

 春日(かすが)梵字石仏(奈良県宇陀市大宇陀区春日)

  三重県の旧 美杉村に梵字石仏と呼ばれる独特の自然石塔婆があり、それと同形。三多気 真福院の梵字石仏には、鎌倉時代中期 弘長元年(1261)の造立銘がある。

春日(かすが)胎蔵界大日種子自然石塔婆(春日梵字石仏)(鎌倉時代中期、大洞石:凝灰岩、高さ 119Cm)

大洞石(おおぼらいし)と呼ばれる凝灰岩の表面に、三角形の台座、その上に蓮華座及び月輪を線刻し、月輪内に胎蔵界大日の種子を刻む

石塔婆正面 上部

線刻月輪(径 44.5Cm)内に胎蔵界大日如来の種子「アン」 を薬研彫する

石塔婆正面 上部、月輪内の梵字「アン」 石塔婆正面 下部、三角形の台座上に蓮華座を線刻する

石塔婆 上面

後に、手水鉢に加工した時の穴があけられている

  真福院(しんぷくいん)大日種子自然石塔婆(三重県津市美杉町三多気204)(参考)

真福院大日種子自然石塔婆(県指定文化財、鎌倉時代中期 弘長元年 1261年、凝灰岩、総高 221Cm 最大幅 80Cm)

背面の刻銘:「弘長元年(1261)、大歳、辛酉、仲秋彼岸、願主、聖人。鎌倉時代中期 弘長元年(1261)造立の自然石塔婆

旧 美杉村の梵字石仏は他に、「真福院 梵字石仏群」「日神(ひかわ)不動院 梵字石仏」「国津神社 梵字石仏」などがある。

 美杉型梵字石仏一覧

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
  鎌倉時代中期
真福院(しんぷくいん)大日種子自然石塔婆      弘長元年(1261年) 三重県津市美杉町三多気204
小屋谷(こやだに)胎蔵界大日種子自然石塔婆  鎌倉時代中期 奈良県宇陀郡御杖村神末小屋谷
真福院(しんぷくいん)阿弥陀三尊・地蔵三尊種子自然石塔婆  鎌倉時代中期 三重県津市美杉町三多気204
真福院(しんぷくいん)胎蔵界大日種子自然石塔婆  鎌倉時代中期 三重県津市美杉町三多気204
太郎生(たろう)胎蔵界大日種子自然石塔婆    鎌倉時代中期 三重県津市美杉町太郎生
春日(かすが)大日種子自然石塔婆(梵字石仏)     鎌倉時代中期 奈良県宇陀市大宇陀区春日
  鎌倉時代後期
国津(くにつ)神社 阿弥陀種子自然石塔婆       鎌倉時代後期 三重県津市美杉町太郎生
真福院(しんぷくいん)金剛界大日種子自然石塔婆  鎌倉時代後期 三重県津市美杉町三多気204
日神(ひかわ)不動院 阿弥陀三尊種子自然石塔婆 鎌倉時代後期 三重県津市美杉町太郎生5139
西法寺(さいほうじ)阿弥陀種子自然石塔婆    鎌倉時代後期 三重県津市美杉町太郎生4060
日神(ひかわ)不動院 金剛界大日種子自然石塔婆.        鎌倉時代後期 三重県津市美杉町太郎生5139

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春日(かすが)胎蔵界大日種子自然石塔婆(春日梵字石仏、向かって右端)

梵字仏の周りには、江戸時代の庚申供養碑などが立っている

 板碑(いたび)

*近鉄大阪線 榛原駅前から奈良交通バス 大宇陀行きに乗車、「西山バス停」下車 東方向へ約900m。慶恩寺北側の道を東に約350m三差路の右手上、金網に囲まれて立っている。

(撮影:平成23年8月29日)