無量光寺(むりょうこうじ)文安二年銘 宝篋印塔

 無量光寺(むりょうこうじ)(神奈川県相模市南区当麻578)

  歴代廟 中世宝篋印塔群の一基で、室町時代前期 文安二年(1445)の在銘塔。

無量光寺(むりょうこうじ)宝篋印塔 (市指定史跡、室町時代前期 文安二年 1445年、安山岩、高さ 130.5Cm)

歴代廟所、中央塔から右側へ十基目(右端)の宝篋印塔で、塔身の正面に室町時代前期 文安二年(1445)の紀年銘がある。

段型は下二段、上五段で最上部は側面二区の露盤とし、隅飾は二弧輪郭付で内は無地、やや外傾する。

塔身 正面

塔身は、四面とも輪郭を巻き内は無地、正面に紀年銘が刻まれている

刻銘:「文安二年(1445)、乙丑、口月十八日」

刻銘:口月十八日」 刻銘:「文安二年(1445)、乙丑

基礎 正面

基礎上端は二段の段型、側面は四面とも関東形式の二区で、正面に刻銘があるが摩耗が激しい。

右区の刻銘は「南無阿弥陀仏」、左区は不明。

相輪は、下から伏鉢・請花・九輪で、上部の請花・宝珠を欠失する。また、九輪の輪間は線刻で表現している。

反 花 座

上端は複弁反花、側面は二区で、内は無地。

無量光寺 歴代廟塔 向って右側

文安二年(1445)銘 宝篋印塔は、中央塔の右 10の位置(右端)に安置されている。

指定 名       称 制  作  年 西  暦
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)文保三年銘 宝篋印塔     鎌倉時代後期 1319年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)元応二年銘 宝篋印塔     鎌倉時代後期 1320年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)康永三年銘 宝篋印塔     南北朝時代前期 1344年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)貞和年銘 宝篋印塔      南北朝時代前期 1345~50年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)康安元年銘 宝篋印塔     南北朝時代中期 1361年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)至徳四年銘 宝篋印塔     南北朝時代後期 1387年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永二年銘 宝篋印塔     室町時代初期 1395年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永十四年銘 宝篋印塔    室町時代前期 1407年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永二十一年銘 宝篋印塔  室町時代前期 1414年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)永享二年銘 宝篋印塔     室町時代前期 1430年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)文安二年銘 宝篋印塔     室町時代前期 1445年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)寛永七年銘 宝篋印塔     江戸時代前期 1630年

無量光寺(むりょうこうじ)宝篋印塔 一覧

 無量光寺(むりょうこうじ)寛永七年銘 宝篋印塔                   石仏と石塔-目次!

無量光寺 宝篋印塔(8.の位置)(高さ 78Cm) 無量光寺 宝篋印塔(9.の位置)(高さ 120Cm)

中央塔から右側へ8、9の位置に安置されている宝篋印塔は、両塔とも紀年銘がなく、8は塔身を失い、9は塔身に金剛界四仏の種子を刻んでいる。

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*JR東相模線 「原当麻(はらたいま)駅」下車、西方向へ徒歩 約17分。

(撮影:平成24年11月7日)