無量光寺(むりょうこうじ)康安元年銘 宝篋印塔

 無量光寺(むりょうこうじ)(神奈川県相模市南区当麻578)

  歴代廟 中世塔婆のなかで、五番目に古い紀年銘がある宝篋印塔で、 南北朝時代中期 康安元年(1361)の在銘塔。

無量光寺 宝篋印塔(中央)(市指定史跡、南北朝時代中期 康安元年 1361年、安山岩、高さ 120.5Cm)

歴代廟所、中央塔から右側へ四基目の宝篋印塔で、基礎に南北朝時代中期 康安元年(1361)の刻銘がある。

段型は下二段、上五段で最上部は側面二区の露盤とし、隅飾は二弧輪郭付で内は無地、やや外傾する。

塔身 正面

塔身は、四面とも輪郭を巻き内は無地、紀年銘は塔身ではなく基礎に刻まれている。

相輪は、下から伏鉢・単弁請花・九輪で、九輪ともあるが上部の請花・宝珠を欠失する。また、九輪の輪間は線刻で表現している。

南北朝時代中期になると、笠の横広感がなくなりつつあり、相輪の請花も縦に短く、時代による変化が見られる。

基礎 正面

基礎上端は二段の段型、側面は四面とも関東形式の二区で、正面に刻銘がある。

刻銘:「康安元年(1361)辛丑十月日」

刻銘:「辛丑十月日」 刻銘:「康安元年(1361)

「康安」年の安の字が読みづらいが、干支が辛丑なので康安と知れる。

反 花 座

上端は複弁反花、側面は二区で、内は無地。

指定 名       称 制  作  年 西  暦
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)文保三年銘 宝篋印塔     鎌倉時代後期 1319年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)元応二年銘 宝篋印塔     鎌倉時代後期 1320年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)康永三年銘 宝篋印塔     南北朝時代前期 1344年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)貞和年銘 宝篋印塔      南北朝時代前期 1345~50年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)康安元年銘 宝篋印塔     南北朝時代中期 1361年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)至徳四年銘 宝篋印塔     南北朝時代後期 1387年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永二年銘 宝篋印塔     室町時代初期 1395年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永十四年銘 宝篋印塔    室町時代前期 1407年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永二十一年銘 宝篋印塔  室町時代前期 1414年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)永享二年銘 宝篋印塔     室町時代前期 1430年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)文安二年銘 宝篋印塔     室町時代前期 1445年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)寛永七年銘 宝篋印塔     江戸時代前期 1630年

無量光寺(むりょうこうじ)宝篋印塔 一覧

 無量光寺(むりょうこうじ)至徳四年銘 宝篋印塔                  石仏と石塔-目次!

無量光寺 歴代廟塔 向って右側

康安元年(1361)銘 宝篋印塔は、中央塔の右4の位置に安置されている。

新造の大型宝篋印塔から、向って右に十基、左に五基、前方にも多数の宝篋印塔が安置されている。

宝篋印塔紀年順  畑ノ辻(はたのつじ)宝篋印塔(南北朝時代中期)  宝篋印塔-紀年順-目次

*JR東相模線 「原当麻(はらたいま)駅」下車、西方向へ徒歩 約17分。

(撮影:平成24年11月7日)