無量光寺(むりょうこうじ)文保三年銘 宝篋印塔

 無量光寺(むりょうこうじ)(神奈川県相模市南区当麻578)

   無量光寺を開創した時宗二祖 真教(他阿上人)が示寂した日、「文保三年(1319)一月二十七日」の紀年銘を刻む宝篋印塔で、真教の墓塔と思われる。

無量光寺 宝篋印塔(市指定史跡、鎌倉時代後期 文保三年 1319年、安山岩、高さ 161Cm)

仮本堂背後の墓地、歴代廟所中央塔に向って左側一番目の塔 塔身の刻銘:「文保三年(1319)、己未」

笠は大破し、しかも磨滅・風化が激しい。下二段の段型がみてとれる。

塔身 正面

塔身は、輪郭を巻き内は無地、正面に紀年銘が刻まれている。

刻銘:「文保三年(1319)己未、正月廿七日」

文保三年(1319)一月二十七日は、無量光寺を開創した時宗二祖 真教(他阿上人)が八十三歳で示寂した日で、

宝篋印塔は真教の墓塔と思われ、当然のことながら二十基を超える宝篋印塔群のなかで一番古い紀年銘を有する。

尚、時宗三祖の地位は、真教の生前 嘉元二年(1304)に智得が継いでいる。

相輪は、下から伏鉢・請花・九輪で、九輪は三輪を残し上部を欠損し、上方の請花・宝珠へと続く。また、宝篋印塔は、全体に激しく傷んでいる。

八王子市の龍光寺名号板碑は、時宗 二祖 他阿(たあ)上人(真教) 三十五年忌に造立した板碑で、時宗板碑の代表的作品。

基 礎

基礎上端は二段の段型、側面は四面とも関東形式の二区で、内は無地。

反 花 座

上端は複弁反花、側面は二区で、各々美しい格狭間が彫られている。

無量光寺 歴代廟塔 中央

時宗二祖 真教の墓塔と思われる文保三年銘宝篋印塔は、Aの位置に安置されている。

新造の大型宝篋印塔が中央に、左右に十五基、前方にも多数の宝篋印塔が安置されている。

指定 名       称 制  作  年 西  暦
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)文保三年銘 宝篋印塔     鎌倉時代後期 1319年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)元応二年銘 宝篋印塔     鎌倉時代後期 1320年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)康永三年銘 宝篋印塔     南北朝時代前期 1344年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)貞和年銘 宝篋印塔      南北朝時代前期 1345~50年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)康安元年銘 宝篋印塔     南北朝時代中期 1361年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)至徳四年銘 宝篋印塔     南北朝時代後期 1387年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永二年銘 宝篋印塔     室町時代初期 1395年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永十四年銘 宝篋印塔    室町時代前期 1407年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)応永二十一年銘 宝篋印塔  室町時代前期 1414年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)永享二年銘 宝篋印塔     室町時代前期 1430年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)文安二年銘 宝篋印塔     室町時代前期 1445年
市・史跡 無量光寺(むりょうこうじ)寛永七年銘 宝篋印塔     江戸時代前期 1630年

無量光寺(むりょうこうじ)宝篋印塔 一覧

 無量光寺(むりょうこうじ)元応二年銘 宝篋印塔                 石仏と石塔-目次!

無量光寺 山門 (市指定文化財)

「当麻山」の扁額を掲げた二脚門。

無量光寺は時宗の旧大本山で当麻道場ともいい、鎌倉時代後期 嘉元二年(1304)時宗二祖 他阿真教により開創された。

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*JR東相模線 「原当麻(はらたいま)駅」下車、西方向へ徒歩 約17分。

(撮影:平成24年11月7日)